お金貯めて三日泊まるのが夏休み
週刊誌読んでやって来れば数珠繋ぎ
冷めたスープ放り投げるように飲まされて
二段ベッドでもあたいの夏休み
Summer Vacation  あたいのために
Summer Vacation  夏 翻れ

—中島みゆき「あたいの夏休み」

2011年2月25日金曜日

バスケットは、お好きですか?

説明は不要かとは思うが、タイトルから察せられるとおりわたしはスラムダンク世代である。で、実際のバスケットボールが競技として好きかっていうと、大学入試前に高校の体育の授業でチェストパスを受け損ない骨折するくらい球技が苦手なわたしのことである、スポーツ観戦一般に言えることではあるが、別段興味はなかった。

だが、わたしのアパートは大学のバスケットボールスタジアムの目の前にある。そしてわたしの彼はアメリカ人である。うちでごはんを食べると、ねぇねぇちょっとパソコン見せて、と言ってかちゃかちゃなんか検索してるなと思うと、あ、いま試合やってる。おなかいっぱいだから散歩がてらに観に行こう、みたいな感じでしばしば試合に連れて行かれることになる。

LSUは基本的にスポーツに対する投資が半端ではない。特にフットボールに関しては、ギリシャのコロセウムをドラえもんのライトででかくしたみたいなみたいな巨大なフットボールスタジアム(10万人収容)があるくらいで、実際けっこう強い。最近では2007年に全米チャンピオンになって、その後コーチが代わって不振が続いてたそうだが、今年はわりと成績も悪くなくて、ベスト8に入ったようだ。だがその分、チケットはとりづらくて(定価10ドルくらいのチケットが100ドルくらいで売られている)、しかもコースワークのまっただ中、3時間もフットボール観戦なんてできませんよ、ということで今年は観戦に行かなかった。が、バスケットボールはここ何十年と成績の低迷が続いているせいであまり人気がないため、試合中盤になるとチケットもなにも持たずふらっと行ってもチケットなしで入れてしまう。

そんなわけで最初はなんの期待もなしに渋々ついていっただけだったのだが、これがまぁ、すごいのである。なにがすごいって、大学生の試合で普通にダンクとかアリウープとかまったくもってスラムダンクの世界が展開され、おまけに空いてるからとことこと階段をおりて3列目とかで見られてしまうのだ。これにはさすがに無関心でいられるわけもなく、今シーズンはなんだかんだで6試合も観に行ったのだった。いやほんと、ほんとにほんとにほんとにすごい。特に黒人選手の肉体と動きというのは、普段教室で、異人種にプリミティブな力を見いだすのはいかがなものかというPC的アカデミックディスコースの中にいるのを忘れるほど、いや、もう、なんかやっぱり人種によって遺伝子って違うんだなぁと思わずしみじみとほれぼれしてしまう。

写真はこれまた眼福のチアリーダー。今日はたまたまブロンドちゃんが目の前ではじけてくれたのでこの写真だが、近くで見るとけっこういろんなタイプがいて、ハーフタイムはもちろん、タイムアウトの度に思い切り目の前で踊ってくれるのでなんかもう、アメリカ万歳の気分である。しかも今日は、入った時は7-22で負けていたというのに最終的には延長で勝つというドラマチック具合で、ほんと、あきらめたらそこで試合終了ですよ、という安西先生の言葉が心に沁みて本気で感涙しかけた。

というわけで答えは、「大好きです。今度は嘘じゃないっす。」おたくですみません。