お金貯めて三日泊まるのが夏休み
週刊誌読んでやって来れば数珠繋ぎ
冷めたスープ放り投げるように飲まされて
二段ベッドでもあたいの夏休み
Summer Vacation  あたいのために
Summer Vacation  夏 翻れ

—中島みゆき「あたいの夏休み」

2011年5月3日火曜日

Quinoa Salad

最近料理の話が続いているけど、でもやっぱり学期末である。ただでさえニコレットの量が増え(最近は普通のガムに切り替えようとしていて、orbit whiteという固めのガムも噛んでいるのだけど、締め切り前の2日でボトルひとつ、60粒を消費してしまい、あごが痛い)少し気を抜いてごはんを食べるのを忘れたりしていると体調を崩すので、健康管理の為に短時間で作れる野菜料理を模索中である。

Wholefoodsというのは全米展開している少しお高めのスーパー(日本で言うところの紀伊国屋とか成城石井とかの雰囲気)なのだけど、家賃が光熱費込みで$560の古アパートに住んでいるわたしである、食材くらいちょっと贅沢してもばちはあたるまい。ほんとうを言えばいくらオーガニックとはいえ、Wholefoodsの野菜はそんなに回転がよくないからかしばしば新鮮さにかけることがあるので、少し離れたところにあるSouthside Produceという八百屋さん(吹きさらしのバラックで大量に野菜が売られているのだが、地産ものがメインで自家製のグラノーラや冷凍野菜も売っている。そして驚くほど安い)のほうがいいのだが、人の車で買い物に連れて行って貰っている身なのであまりわがままは言いません。

しかしWholefoodsのいいとことはWalmartとかだと手に入りにくい少し変わった健康食材がたくさん売っているところで(チーズとか肉類もいいんだけど)、特に穀物の類の品揃えは感動的である。Bulkというコーナーにはなんと形容すればよいのか、ありとあらゆる種類の穀類とか粉類が並んでいて、取っ手をひくとザーッと袋のなかに落ちてくる仕組みで、好みの分量を買うことができる。これまではよくクスクス(couscous)をここで買ってそれでサラダを作ったりあるいはチキンとトマトソースで炊いて炊き込みごはんみたいにして食べたりしていたのだけど、先日友人宅でクスクスサラダ的なものを食べたらものすごく食感がよくて、え、なにこのクスクス超おいしいね、と言ったらこれはクスクスではなくてキヌア(quinoa)だよ、と教えてくれた。

クスクスとキヌアは見た目が見ていて、両方ちいさなちいさな粒なのだけど、クスクスはああ見えて実はパスタの一種だそうで、粗挽きの小麦粉を丸めて作っているとのこと。一方のキヌアは南米産の穀物(というか種)で、茹でていると小さな芽がぴょこんと出てくる。キヌアは栄養価が高いことで有名で、お米などに比べると炭水化物率が低いかわりにアミノ酸が豊富、NASA認定の理想宇宙食、21世紀の穀物と呼ばれているらしい。ふむふむ、体によいしおいしいし、レシピを聞かない手はない。そんなわけで以下、覚え書き。

[材料]
☆quinoa(1カップ)
☆vegetable broth(1.7カップ)
(なければ水でも可。わたしはブロスがないときは玉ねぎスープのもとを溶かしている)
☆cucumber(1本)
☆green onion(1束弱、6本くらい。前にも書いたけど、日本の青ネギみたい)
☆pine nuts(1握り)
☆roasted red pepper (瓶詰め、4枚くらい。なければ普通のred pepper、パプリカでも )
☆lemon (1個)
☆cilantro(半束くらい、シャンツァイとか香菜とかコリアンダーとか、いろんな名前があるけどこちらではこう呼ぶ)
☆olive oil, salt and pepper

①quinoaを茹でる(というか炊くというか)。お鍋に軽く洗ったquinoaとbrothを入れて、煮立ったら弱火にする。クスクスでもそうなのだけど、だいたいキヌア/クスクス1に対して水分1.7から1.8が基本。コトコト、水分を全てquinoaが吸うまで。だいたい20分くらい。たまに混ぜながら、水分量をチェックする。
②その間にきゅうり(ダイス)とroasted red pepper(小さな色紙切り)green onion(粗みじん)cilantro(粗みじん)を用意する。レモンも絞っておく。
③フライパンにオリーブオイルを熱して、green onionを2、3分間炒める。ボウルに出しておく。余ったオイルで松の実を軽く色づくまで炒る。
④茹であがったquinuaと②と③をあわせる。味をみながらレモンジュースで水分を与えていく。塩こしょうで調味。あとはゆっくり冷やして味がなじんだら食べられる。

これまた簡単簡単でうまうまである。今日はcilantroがなかったので、かわりに冷凍の枝豆とコーン(Southside Produceのもので、なかなかおいしい。ちなみにquinoaの熱で室温くらいになるので個別に解凍する必要はなし)をたっぷり入れて、それからあまり酸っぱいと胃が心配だったので、ワインビネガーに砂糖と塩とマスタード(Louisiana名物のCreole Mastardというちょっとスパイシーでコクのあるマスタード)と少量のオリーブオイルを加えたもので和えてみた。最後のペーパーの締め切りまであと10日、その後はLA旅行と、そして里帰りが待っている。ほほほい、がんばります。